下町ロケットの経営手法をどう捉えるか

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昨日ついに「下町ロケット」の最終回を迎えましたね。結論は…まあそうなるだろうと予想は付いていたものの、予想通りに落ち着いてすっきりと月曜日を迎えた方も多いのではないでしょうか。さて、そんな「下町ロケット」の佃航平(阿部寛)を企業経営者のあるべき姿と評する方が多いとのこと。本当ですか…?

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全ては“上手くいったから”良かったのではないか?

まずはじめに断っておきたいのですが、私個人としては佃航平が好きです。夢に向かって邁進する姿や、社長といえど完璧ではないところが見えたり、何より“熱い”ことも非常に魅力的なところですね。ただ、これらの魅力的なことがらも、最終的に“上手くいった”からこそ魅力的に映るのであって、仮にこれが“上手くいかなかった”場合、全てが裏返る可能性があるわけです。

恐らく、現実には“上手くいかない”からこそ、難しいのだと思います。事実、佃社長のように熱い思いを持って活動されている社長さんは多いでしょう。そして、残念ながら佃社長のように上手くいっている社長さんの方が確実に少数派であることは間違いありません。なぜなら、もしこのような話が日常に溢れているならば、このドラマがヒットするわけがないわけです。このようなことが起こったら良いなと誰もが思いながら、叶えられていないのが現実なのだと思うわけです。

どんな方法であれ、上手くいかなければ批難される

実際、佃社長のような経営をしたら、まずブラック企業認定されるでしょう。従業員は一体どれだけ働かされているのか分からないし、それを社長の“熱い思い”だけで突っ走っていく。それが上手くいっているうちはアドレナリンが出て大丈夫だけれども、上手くいかなくなった途端に…ということはよくあること。そして従業員の離反が起こり、ということは容易に想像がつきます。このように考えると共感している方にとって重要なのは、佃社長の企業経営者としてのあり方ではなく、“上手くいったかどうか”という一点に尽きる気がするのです。そこが外れれば、佃社長のような経営手法だろうが、他の方法だろうが経営者は批難されるわけです。

そして、そのいかに“上手くいかせるか”という点にのみフォーカスすると、佃社長の取ってきた行動はかなり危ういように映ります(最終回でも訴訟されても大丈夫、などというようには経営者としては取るリスクではないですよね…まあ、録音等の証拠が揃っていたから良いものの・笑)。経営者として最も重視しなくてはならないことはゴーイングコンサーン(企業の継続)であるはず。その点から考えれば、佃社長は結構危ないなと思うわけです。

見習うべきは周りの経営陣のサポート

ただ、そういった側面を周りの経営陣がサポートしていたところは非常に見習うべきところが多いように思えます。社長自身も一人の人間であり、欠点がある。特に、社長自身が暴走しやすいところをしっかりと止めてくれる、そんな人間を周りに置けた佃社長の人間性が素晴らしいのではないでしょうか(普通はそういう人間を近くに置きたがらないでしょう)。

佃社長を他の方一人ひとりがどう評価しているのかまでは追っていませんが、一人事コンサルタントとしてはこのような感想を持った「下町ロケット」でした。

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キヨカワ

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