専業主婦の妥当な年収の記事を受け

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最近、マイナビウーマンで「専業主婦の妥当な年収はいくらか」というアンケートで、女性が200万と答えた方が一番多かったことに対し、男性が0円と答えた方が多かったという結果を公表していました。基本的に「0円なんてありえない!」という想定通り発言が相次ぐ中、「主婦労働は0円が正しい」とその風潮を真っ向からぶった切るようなタイトルが目に飛び込んできました。

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前提が合っていないからかみ合わない

同記事の内容を読んでみると、「主婦労働は仕事のように“やってもやらなくてもいいこと”ではなく、誰もが“やらなくてはならないこと”であり、重要なことではあるものの、お金に換算されるべきものではない」というような趣旨になっていました(これでは少し言葉足らずなので、詳細を知りたい方は同タイトルで検索してみてください)。まあ、このような前提を聞いたとしても、「0円た正しい」という答えは間違っていますね。「金額で換算すべきではない」とすべきでしょう。つまり、このタイトルは完全に“釣り”だったわけです(見事にひっかかりました・笑)。

さて、今回、「主婦労働は0円が正しい」という私の感覚としてはあり得ない意見が出てきたことに対して、その発言の背景を知ることが文章を通じてできたわけですが、多くの場合、そのような背景、言い換えれば前提となっていることを知ることもなく、表面的な「主婦労働は0円が正しい」ということだけが一人歩きする傾向があります。そうなってしまうとどうなるかと言えば、私と同じように「それはあり得ない」と思っている人からは一切支持されないどころか、聞く耳をそもそも持たれなくなります。もし、そのような人と何か議論をしたとしても、議論は一切かみ合わないまま議論にならないでしょう。

前提を無視した表面的な意見は無意味

さて、今日の本題。“表面的な意見”がいかに意味を成さないかということが今回の記事を通じてお分かりになるのではないかなというところです。なぜ、そのような意見が出てきているのか、その前提となっているのは何なのか、ということが明確にならなければ、その“表面的な意見”の真意は見えてこないわけです。もっと言えば、表面的な意見は合っていても、同床異夢といった言葉が表すよう、それぞれの真意はまったく別の所にあったりすることもありますし、逆もまた然りです。だからこそ、一つの意見に対して、なぜ、そのような意見が出てきているのか、その前提となっているのは何なのかということを明確にする必要が絶対的にあるわけです。

このようなことがよくできない現場というのが、“会議”という場です。一人ひとりの前提がバラバラであるからこそ、的外れな意見が出たり、決まるべきことが決まらないというようなことが起こってきます。これを時間の無駄と言わずになんと言うでしょうか。とはいえ、一つ一つの意見に対して、「そのような意見にある前提は何か?」というように聞いていくのも時間がかかって仕方がありません。ではどうすれば良いでしょうか。

前提を共有することは、目的を明確にすること

その答えは単純な答えになりますが、「会議の目的は何なのか」ということが会議参加メンバーに周知徹底されているかどうかという点になろうかと思います。以前のブログでも挙げていますが、「個人的に○○と思う」というような、“個人的”という言葉を会議体で出すのは非常にレベルが低いと言わざるを得ません。それは言うなれば、「自分の前提で意見を言うのであれば」と同義であり、「会議の目的に沿っていない可能性があるが」という発言とも同義なわけです。会議においては、「会議の目的である○○を達成するためには○○ではないでしょうか」という発言になるはずです。

まとめると、人が発信する意見というのは、必ず何らかの背景、前提が存在するということです。そして、それらをまとめなくてはならないような会議のような場では、一人ひとりの前提を確認するというよりは、目的という前提をあらかじめ提示し、その上で会議を実施すべきです。さもなければ、いつまで経っても一人ひとりの前提が異なったまま議論が進み(場合によっては進まない状態で)、何か決まったような、決まっていないような状態を生み出します。

これは海外の方と何かする際にも役に立つ考え方ですね。なにせ、彼らとは前提が違うことが当然ですから。

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キヨカワ

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