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○Works No.105
works105
早稲田の監督就任1年目のことだった。10番というチームの司令塔となるポジションに、現在でもトップリーグで活躍する、ある優秀な4年生がいた。彼の唯一の弱みはタックル。普通であれば「できないことはやらなくていい」と言う僕だが、彼のポジションは、走りこんでくる敵をタックルで止めることが重要な仕事の1つだった。彼自身も「できるようになりたい」と切望していたこともあり、一緒に練習を重ねた。

(中略)

人を成長させようとするとき、リーダーが決めることは2つ。1つは“What(何を学ばせるのか)”と、“How(どのように学ばせるか)”だ。この例でいえば、“What”はタックルであり、“How”はタックルダミーから始めた一連のステップである。

“What”はいわば目標設定。多くのマネージャーはここに力を注ぐ。しかし、どのように教えるか、目標に到達させるかにはそれほど知恵を絞っていない。さらに問題は、先の例のように目標を達成できなかったときの“振り返り”である。

それなりに力を注いで育成に当たっていればこそ、「やっぱりこの選手にタックルは向かないんだ」「目標が高すぎたのかもしれない」など、“What”ができなかったことばかりを反省する場合がほとんどではないか。しかし、僕は“How”の振り返りこそ欠かせないと思う。つまり、目標を達成できなかった理由を目標そのものに求めるだけでなく、目標の目指し方を失敗した可能性も検討すべき、ということだ。

(本書p70-71 中竹竜二氏「若手を腐らせるな」)

目的地(WHAT)にたどり着く方法は一つではない

今日フォーカスして欲しいのは指導される側の視点。「タックルが出来るようになりたい!」という“What”に対して、一つの“How”で何とかしようとする人は多い気がします。なぜ一つの“How”になってしまうかと言うと、自分ひとりでその“What”に取り組むことが、ある意味“美徳”であり、そうする人が多いからです。学生時代の勉強は、ひとりで成果を上げることが求められていますが、社会人になるとその考えは全く異なることは以前にも書きましたが、この“How”に関しても、人に相談した数だけの“How”が見つかることは言うまでもありません。そう、別に一つの“What”に辿り着く道は一つだとは限らない訳です。

自分のやりかた(HOW)にこだわることの危険性

これ、当たり前に聞こえるかもしれませんが、就活生だけでなく多くの社会人が悩むポイントだと思います。自分ひとりで就活(仕事)して、その結果を受けて凹むそんなことになっていませんか?“結果を出す”という一つの“What”を得るのに、今の皆さんの方法が全てではない訳です。そう、やり方“How”によっては“結果”に辿り着けていたかもしれない。そう考えると、自分のやり方“How”だけにこだわることがいかに危険なことか。

自分を信じることは大事ですが、今までの学生までの勉強と仕事は全く違うものだということを、改めて認識する必要があります。自分のやり方“How”にこだわらず、結果を得るための“How”を探す。こういった考えが重要だと思います。

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キヨカワ

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