面接でストレス耐性を見抜くよう腐心している方へ
「ストレスに強い人が欲しい」みなさんの中で、この意見に反対の人はどれくらいいるでしょうか? おそらく、これは大きな声で断言してしまっても良いと思いますが【1人もいない】でしょう。仕事にはストレスが付き物です(こう言えてしまうのが、ちょっと寂しい気もしますが)。そのストレスに負けず、常に高いパフォーマンスを上げることが求められる現状では、ストレスに強い人材を採用したいというのは当然と言えるでしょう。
「ストレス耐性が強い人が欲しい」と考えるのは時代錯誤
もしかするとこの記事の内容は一般論なのか、と考えると恐ろしい気持ちになります。はい、上記で引用した【1人もいない】ということに対して、今回はその【1人】になろうと思います。
まず前提として、この記事でも言っているように、仕事にはストレスが付き物である、ということについてはあまり異論はなかろうかと思います。そして、そのストレス自体が完全に悪というわけでもない、というところについても同意したいと思います。そして、これは賛否両論あろうかと思いますが、一昔前よりも今、また、これから来るであろう未来において、一人ひとりがさらされるストレスは増えると個人的には思っています。
その根拠としては、“日本という国そのものが成長市場ではなくなっていること”が挙げられます。成長市場というのは需要のパイが広がっていることを示しており、動けば動いただけのリターンがある状態を作り出せます。逆に成長市場ではない状態というのは、需要のパイが狭まっていくことを示しており、少なくなっていくパイを取り合う状態になるわけですね。すると、いかに他社と差別化するかという話になるわけですが、それと同時にお客さん側の要求水準も上がっていくわけです。(これが成熟社会の特徴でもあるはずです)こういった流れが進むことは想定できても、逆回転することは考えにくいのではないでしょうか。
新卒でさえ即戦力を求められる時代
それに合わせてになろうかとは思いますが、今の新卒に求められる力というのも、一昔前の中途に求めるような、即戦力を求めている印象すらあります。「3年くらいで一人前になればいい」と考えられていたのは、今や昔なのではないでしょうか。世の中は少しずつ、しかし確実に水準が上がっているし、スピードアップしているのです。そのような中で日本に昔からある“根性論”だけで今のストレスを乗り切れ、というのはあまりに稚拙過ぎるでしょう。
…と、前置きはここまでにして、ではどうしたら良いか。それは、ストレスコーピングという考え方が大事だと思っています。この考え方自体は、ワトソンワイアットの川上さんという方からお聞きしたものです。(記事はコチラ)
心理学ではストレスの原因を「ストレッサー」と言い、「ストレッサー」に対処しようとすることを「コーピング」と言います。これは早稲田大学の小杉正太郎教授の理論なのですが、「コーピング」には、「ストレッサー」から逃避したり、あきらめて我慢したりするような「消極的コーピング」と、自分で問題解決をしたり、誰かに援助を求めて問題解決しようとする――「援助希求」と呼ばれる――「積極的コーピング」があります。その中で、とくに「積極的コーピング」の「援助希求」をいかに取り込めるかがポイントになってきます。自分だけで問題解決するのではなく、誰でもいい、他人に援助を求めながら問題を解決していく。それが成果の出し方を変える、ということなのです。
要するに、上記で言う、「積極的コーピング」をいかにできる人材になるか、という側面の方がよほど大事な側面になろうかと思います。あまりにもストレス耐性がないことも問題ではもちろんありますが、今や誰もがうつ病になる可能性があるほどストレスがかかる社会であるという点も見逃せないと思います。根性論だけに走るのではなく、コーピングという側面も併せて見ていく必要のある時代なのではないでしょうか。
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