3年以内の転職の是非
厚生労働省が大卒の3割が3年で会社を辞めてしまうという調査結果を発表しました。「最近の若者は我慢する力がない」といった声も出ているようですが、実は3年で会社を辞めてしまうという傾向はずっと昔から変わっていません。
「最近の若者は」の話は、ソクラテスの時代かららしいです(笑)最近の若者かどうかはともかく、3年以内の退職及び転職について、キャリアを構築する側面から考えていきます。まず、3年以内の退職及び転職について、結論から言えば、「是とも非とも言えない、ケースバイケースだ」となります。とはいえ、全くの指針がなければ記事を書く意味がないので(苦笑)、今日はその辺りを。
端的に言えば、面接の場で聞かれる「退職理由は何ですか?」に、面接官が納得する理由が言えればOKということです。はい、ポイントは、“面接官の納得“なので、一概に言うことはできません。とはいえ、求職者のそれと面接官のそれにズレがある可能性があるので、その点を少しでも埋められればと思います。
退職理由が前向きな理由だけであるはずがないことは面接官は知っている
退職理由というと、前向きな退職理由を話すべきみたいなマニュアルがありますが、後向きの理由が全くない転職などあり得ません。喩えるなら、「私は嘘を付いたことがありません!」と成人したいい大人が言うようなものです。(誰も信じませんよ)ではどうするかと言うと、退職しようと思うに至った理由を自分で分析し、原因を突き止め、反省するということから始めるのが良いでしょう。
上記の反省を促す質問としては、「もともとなぜ、その会社に入社したのか?」「その入社した理由は叶ったのか?叶わなかったのか?」「叶ったのであれば、何がそれ以上に不満なのか?」「叶わなかったのであれば、それは何故か?」「そういった状況になることは事前に予想できなかったか?予想できたとしたら、どうすれば良かったか?」などなど。
要するに、同じミスを犯さないために、自分できちんと考えられる人間かどうか、というところを見たいとは思っています。(人間ですから、ミスはあるでしょう)なので、新卒の場合は転職が初めてになるので、上記をきちんと反省さえできていれば、割とすんなり転職できてしまったりします。あくまで、“初めて”だからです。2回目以降の転職はそうはいきません。
自分の専門性の証明は、携わった年数が一番簡単
当然ですが、最初の会社になぜ入社し、そして次の会社にはどういう転職理由で入社し…ということを聞かれ、そこに自己反省がないようであれば、同じミスをする人間で、信用もおけないとなるわけです。上記をご覧いただいて分かるように、2回目の転職以降は転職が格段に難しくなります。特に、今いる会社以上に良い会社に入りたいと思うのであればなおさらです。
なので、2回目以降の転職については、基本、キャリアアップの転職(自身の専門性を買われての転職)でなければキツイと思います。そして、専門性を買われる、という方法は色々ありますが、最も簡単に証明する方法は、その業務に何年携わったかです。もちろん、営業であれば数字を残したり、他の職種でも分かりやすい成果が見えるものがあれば良いのですが、必ずしもそういった目に見える成果を表現しづらい職種もあるでしょう。そうすると「年数」が一番分かりやすいポイントとなるわけです。ただ、「年数」だけがあっても仕方はありません。一定の年数以上についてはさほど評価は変わらないですから、そこから先はその業務に当たって、どんな自分なりの付加価値を生み出してきたか、という側面が重要になろうかと思います。
まとめ
これらをまとめると、2回目の転職先までに自分の専門分野をきちんと定め、そこである程度の期間業務に携わるということが非常に重要なファクターになろうかと思います。もちろん、自分が生み出した付加価値についても重要です。また、キャリアの積み方は転職だけが全てではありません。(起業というキャリアパスを考えるならば、そもそも冒頭の面接官に納得~のクダリはまったく必要ありませんから)どこか企業に属しながらキャリアをどう構築するか、ということを考える上では一つの方法ではあろうと考えます。
p.s.
もちろんですが、ブラック企業かどうかはともかく、精神を病んでまで続けるべき仕事はありません。ただ、そうならないようにするにはどうしたら良かったか、というような視点は非常に重要なポイントだと考えます。
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