日本人が冒険心を持てない理由と対策

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Newsweekで日本の20代の冒険志向が断トツ世界一低い、という不名誉な称号を得てしまったことを紹介していました。これは20代に限らず、恐らく今生きているほとんどの年代において世界一低いのだろうとは思います。なぜ、こんなことになってしまったのか、原因を探っていきたい。

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出典:Newsweek

恵まれていること、教育、そして周りの人々

原因は大きく3つあると考えます。1つ目は、物質的に恵まれている状態であることです。もちろん格差というものは各個人間には存在するものの、他の諸外国の方々と比較して多くの場合、恵まれています。万能ではありませんが生活保護の制度もありますし、憲法で定めている最低限の生活レベルというもの自体が、諸外国と比較して高いことは間違いありません。何より「現状維持で構わない」というような言葉が出てくる人が多いというのも、今の生活自体に満足していて、それ以上を冒険してでも手に入れたいと思うような思考にならないことはごくごく普通のことでもあろうかと思います。

2つ目は、教育です。ご存知の通り、日本の教育システムは問題の答えを覚えて回答するというスタイルのものが主流となっています。つまり、回答は必ず正解か不正解かとなり、いわゆる減点方式となっています。このような教育システムであれば、「いかに不正解(失敗)を出さないか」ということが長年に渡って刷り込まれており、その感覚を払拭することなど日本の教育を受ける以上、非常に難しいわけです。

最後3つ目は、上記2点の影響を受けている人が周りに溢れているということです。「自分がよくコミュニケーションを取る10人の平均が自分」という話をしますが、自分がよくコミュニケーションを取る10人に、「失敗するから止めたほうが良いよ」というような話をされれば、当然冒険などするわけがありません。そのような人で塗り固められた環境では、冒険心など生まれるわけがないのです。

日本人に冒険心は必要なのか

では、冒険心がないままでも良いのかというと、これからの時代においては非常に難しくなると私個人としては思っております。その背景にあるのは、日本が経済成長していないからに他なりません。日本が経済成長していない理由はHello to the First Visitorでも紹介しておりますので割愛しますが、これから“時代に合わせて変化していく”ということが何よりも重要なキーワードになっていきます。その“変化”というものに対応していく力こそ“冒険心”であるわけですが、その“冒険心”というものが世界最低なわけです。

では、明日からその“冒険心”を持とう!と思っても、持てるわけではないですし、何よりこれまで“冒険”をしてこなかった人が突然“冒険心”を発動するのは、バク転をやったことがない人が突然バク転をやろうとするくらい危険なものだとも思います。ではどうすれば良いのか。

健康のために禁煙すべきと分かっていながら禁煙ができない人と同じ

まず始めるべきは、自分が致命傷を絶対に負わない範囲で“冒険心”を発揮していくことです。そして、その範囲を少しずつ広げていく、ということを繰り返し行っていくこと以外にありません。重要なのは、“範囲を少しずつ広げていく”という点。いつまでも同じくらいのリスクを負っているだけでは、成長はありません。

また、これが企業においては、トップまたはそれに準ずるような人ほどこれについて腹落ちさせ、従業員に“冒険心”を持たせる範囲を広げていく努力をしていく必要があります。もっと言えば、これができない人材は出世できないくらいの覚悟を持たなければならないと思います。企業経営において、冒険心を持って“挑戦”していかなければならないことは自明の理であることはよくご存知のはず。それでもできないのは、健康のために禁煙すべきと分かっていながら禁煙ができない人と同じようなものです。つまり、本気で将来のことを考えて行動していないのです。

最後に、自分ではどうしても“冒険心”を持てないという方に、“冒険心”を持っている人に頼る、ということをオススメして終わろうと思います。全てを自分でやる必要はない、という話を同サイト内で再三してきておりますし、そういった方がいても良いとは思います。ただ、頼ろうともせず現状維持をしようとすればするほど、これからの時代は生きづらくなる、ということは覚えておいた方が良い事だと思います。

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キヨカワ

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