【就職活動】インターンシップに参加すべきか
2017年卒の就活の面接解禁日が6月1日と確定しました。ご存知の通り、6月1日はあくまで経団連加入企業が表立って面接を解禁する日であり、水面下の活動は非常に活発に行われているのが事実です。特に“インターンシップ”という形で学生に早めにアプローチして、という手法を採っている企業は非常に多く見受けられます。
さて、この“インターンシップ”、本来であれば企業にとっても学生にとっても有益な機会であるとは思うものの、どうも日本の状況を見ていると企業側に良いようにされている印象が拭えません。
インターンシップは企業側の都合の良いように作りこまれている
企業がインターンシップを行う目的を一言で言えば、“その後の本選考のため”です。インターンシップという手段が、“1.早期に学生と接触を図り”、“2.自社のブランディングをしながら”、“3.良い学生に唾をつける”というその後の本選考をスムーズに進めるためのものになっているのです。一方、学生がインターンシップに参加する理由は様々あろうかと思いますが、“就活準備のため”という漠然としたものになるでしょう。
もっと言えば、何が就活の準備になるのか、ということさえもよく分からず、“みんながやっているから”というような理由で参加される方も多いのではないかと推察します。つまり、企業側の目的は明確でありながら、学生側の目的が極めて漠然としているため、企業側の都合の良いようなインターンシップが行われていることが実情であると言わざるを得ません。
例えば、1DAYのインターンシップ。1日で「現場に近い体験」をはじめとして「業界や業務理解」、ともすると「就活に役立つ内容」など、学生が興味を持ちやすく、また、その後の自社の選考に進んでもらえそうな層を集めて開催をしているようです。コンテンツについては自社の採用担当が手作りで…というところもありますが、お金がある企業はいわゆるプロを使って演出から何からを手掛け、立派なものが完成します。そういったものですから多くの学生が引き付けられ、感動しているところの中で採用担当が優秀な学生の目星を付けていく…とまあこんな流れではないでしょうか。
「そういうものだ」と理解してインターンシップに参加するのであれば、それはそれで問題はないかもしれません。むしろ、自分を企業に売り込む機会でもあるので、そのような機会として捉えられるのであれば良いでしょう。しかし、多くの学生さんが本来インターンシップに求めるべきものは別にあるのではないかと思うのです。
働くということに対するリアルを体験するならアルバイトを
学生がインターンシップに求めるべきものというのは、“働くということに対するリアル”を体験することではないでしょうか。そこで働くことの良い事はもとより、悪い事も含めて体感する。それを望んでエントリーをされている方も多いのではないかと思います。…と、このように頭では分かっていながらも企業側のインターンシップの勢いで本来の目的を見失う。これが実情でしょう。そしてもう分かっていらっしゃるかとは思いますが、就活のこの時期に募集がかけられるインターンシップのほどんどは、本来の目的である“働くということに対するリアル”を体感できるようなインターンシップは存在しません。募集がかかるインターンシップは、その後に控えている“本選考”のためのものに他ならないからです。
では、本来の目的である“働くということに対するリアル”を体験するためにはどうしたら良いでしょうか。まずは、“インターンシップ”で募集をしている企業には行かないことです。もちろん、本選考に進むため、という意味合いでインターンシップに参加するのは良いでしょう。また、そこで出会える同じ学生と仲良くなることにもメリットはあります。ただ、目的である“働くということに対するリアル”を体験したいのであれば、“アルバイトで仕事をする”ことです。特に第一志望として考えている業種等にはドンピシャの企業でなくとも、アルバイトを短期でもする意味はあるでしょう。
重要なのは自分の基準である“ものさし”を作ること
ただ、勘違いして欲しくないのは、そのアルバイトはその企業ならではの話であって、実際に行こうとしている企業とは異なる可能性がある、という認識だけは持っていただきたいのです。何が言いたいかと言うと、あくまでアルバイトで作って欲しいのは“ものさし(自分なりの基準)”です。その“ものさし”があるかないかで、相手が言っていることが現実に則しているのか、それともオーバートークなのか、ということが分かるようになります。逆に言えば、その“ものさし”がなく、非常に作りこまれたコンテンツを企業から見せられれば、「そういうものなんだ」と信じてしまうのは当然です。アルバイトで“ものさし”を作る、ということが非常に重要だと思うのです。
企業も学生を騙すというつもりはないとは思いますが、明らかに上手であることは間違いありません。そこを認識していただいた上での企業選びをしてもらえればと思います。入社直後に「こんなはずじゃなかった」と言わないためにも。
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