リスク回避の判断基準

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“いかに致命傷を負わないか”ということが大事と先輩起業家から言われてきたことは当ブログでも何度か紹介してきました。“いかに致命傷を負わないか”ということは“致命傷を負うようなリスクは負ってはならない”ということであり、逆に言えば、“致命傷を負わないリスクは負え”ということにもなります。この“致命傷”になるかどうかということは本当に大事な基準であり、この考え方こそ私が何か行動する際のボトムラインになっています。

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生きている限りリスクは取っている

そもそも“リスク”という言葉自体を嫌う傾向が多くの日本人には多いような気がしますが、“生きていることそのものがリスク”という認識もあまりないように思えます。極端に言えば、家から出るだけで交通事故のリスクは高まりますし、歩けば転ぶリスクだってある。何か食事を摂ろうものならお腹を壊すリスクもあるし、添加物の多いものをたくさん食べていたら将来的に癌等にかかるリスクだって(多分)あるわけです。

このように、リスクを一切取っていないと思っている人も、生きている限りは確実に何らかのリスクを取っているのですが、“リスクを取っている”という認識が薄いせいなのか、その“最大のリスク”と“リターン”についてあまり考えずに行動している方が多いような印象が拭えません。

自分のものになるということは想像以上に安心材料

具体的な話をしていきましょう。今回は便宜的に、“持ち家”を持つかどうかをリスク・リターンで考えてみるということを題材にしたいと思います。“持ち家”を持つ一番と言っても過言でない理由(リターン)は、「家が自分のものになる」という点ではないでしょうか。自分のものになるということは想像以上に安心材料になります。ある種、恋人関係だった関係が結婚して夫婦関係に変わるというような位の変化があるかもしれません。

そして、自分のものになるが故のリターンとして「老後の心配をしなくて済む」(?)と考える人も多いようです。要するに、住宅ローンを払い終われば家賃は発生しないし、賃貸物件であれば年齢を理由に追い出される可能性もあるのではないかというリスク回避になるというものですね。更に言えば、今は住宅ローンの金利は相当安い上に、賃貸で支払う金額とほぼ同じくらいの金額で賃貸以上の物件を自分のものにすることができる可能性も高いので、“持ち家”を検討される方も多いのだと思います。

家賃は流動負債で、住宅ローンは固定負債

さて、続いて“リスク”を考えていきましょう。まず最初に指摘したいリスクは、“住宅ローン”です。もちろん、ローンを組まずに“持ち家”を持てるという方もいらっしゃると思いますが、一旦その方は除外させていただいて、多くの方はローンを組むことになろうかと思います。そしてそのローンの年数は35年ローンが多いのではないでしょうか。当たり前のことを申し上げますが、“35年間”、その金額を支払い続ける義務が発生します。

「それは家賃を支払うのも同じでしょう」と指摘される方もいらっしゃるかもしれません。それはその通りではあるのですが、流動性が明らかに異なります。不動産というものはその名のごとく、“動かせないもの”です。家はご自身の“固定資産”になりますが、同時に背負う住宅ローンは“固定負債”になります。家賃は“流動負債”であり、その場所からの移動することは“持ち家”よりも容易です。つまり、“持ち家”を持つことでその場所から“動きづらくなる”ということは間違いありません。

動きづらいことは特にこの日本ではリスク

「“動きづらくなる”ことに特にデメリットを感じない」方もいらっしゃるでしょう。でも、それは現時点においてではないでしょうか。35年間という長い年月、動きづらい状態が続くということは大きなリスクです。“動きづらくなる”ことの最大のリスクは地震です。東日本大震災の記憶はまだ新しいと思いますが、日本のどういった地域に住もうとも、そこが日本である限り“地震”というもののリスクを常に考えなくてはなりません。特に東京都23区では地震保険にも入れないようですし、動けなくなるだけでなく、家そのものがなくなるというリスクも頭の中に置いておかなければならないと思います。

また、“動きづらくなる”リスクとしては、働く場所が固定されやすくなるという点です。転職はもとより、転勤くらいは会社から命令されることもあるでしょう。“持ち家”であれば、その際に二重で家賃とローンを払うか、誰かに貸すかということになりますが、その借り手を見つけることも大変です。それに転職という選択肢もここから35年先を考えると狭まる可能性は高いとも思います。35年、この先日本がどのような状態になるかは分かりませんが、それほど明るい未来が待っているような印象は残念ながらないと個人的には思います(もちろん、違う意見があってもいいと思いますが)。そんな中で日本の特定の場所から“動きづらくなる”ということはやはりリスクに他ならないのではないでしょうか。

きちんとリスク・リターンを認識した上での行動を

ということで私は“持ち家否定派”です(固定されるリスクは致命的と判断しているためです)。別にこの話に対して“肯定か”“否定か”を言いたいわけではありません。大事なのは、これらの“最大のリスク”と“リターン”が何なのかということを考えた上での判断かどうかということを問いたいわけです。上記の状況を踏まえた上でも、当然価値観によっては“持ち家肯定派”もいらっしゃると思います。

キャリアの考え方も全く同じです。どのようにキャリアを積んでいくかということを一人ひとりがリスク・リターンで考えていかなければならないと思っています。「大企業に勤めていれば大丈夫」と手放しで言えた時代は恐らく終わっています。そして、自分自身が主体的にどういったキャリアを積んでいくことがリターンを得られ、そして、最大のリスクを抑えられることに繋がるのだと思います。

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キヨカワ

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