スタートアップ企業に転職すると起こる衝撃

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大手企業からベンチャー企業やスタートアップ企業へ転職するとどうなるのか。もちろん、それぞれの企業の定義が明確になっていないと少しズレた話になりそうですが、私も業界では最大手の企業から、入社時には20人に満たないベンチャー企業に入社した経験があります。新卒で入社した会社が社会人生活の全てのベースになっていると言っても過言ではないかと思います。そんな大手企業のベースを持ってベンチャー企業なり、スタートアップ企業なりに入るとどんな衝撃(笑)を受けるのかということを今日は書いていきます。

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ルールがほぼない=めちゃくちゃ

まずはじめの衝撃ポイントとしては、“ルールがほぼない”というところでしょうか。大手企業にいるとすべてがルールで縛られているように思えます。何をするにしても然るべき手順に沿って行わなければならず、たとえそれが非効率的だと思っても手順を飛ばすと怒られるのです。怒られるので仕方なくそのルールを覚え、然るべき手順に沿って全ての物事をこなしていく、というのが大手企業での仕事の進め方でした。

一方のベンチャー企業はというと、そのルールがほとんどありません。何かのやり方を先輩に聞くと、先輩ごとにその答えが変わってきます。あまりに答えが違うので、「普通の方法を教えてください」と聞いたことがありますが、本人は「それが普通だ」と平気で言います。要するに会社としての「普通(ルール)」は存在せず、それらは当事者である従業員に任されている状態なわけです。「そんなことで会社はめちゃくちゃにならないのか…?」と思われると思いますが、はい、なります(笑)だから、会社が大きくなるにつれルールが必要になってくるわけです。

ルールを作るチャンスや経験が得られる

ルールについてもう少し話をしていきたいと思います。ルールがほぼないと言いましたが、当時の唯一と言っていいルールは、“社長がOKならOK”というもの。当たり前のように一見見えますが、上司等もすっ飛ばして社長に直接承認を取りに行くということもできました。そして、上司には事後報告。そういったことが後に問題になったことは言うまでもありません(笑)。社長自身もすべてのことについて詳細に理解しているわけではありません。上司を通して社長に確認を取るというフローは然るべき姿なのです。

このように“ルール”に関してはめちゃくちゃな状態から始まっていたわけですが、これはある意味“チャンス”でもありました。要するに、「自分たちがルールブックになれる」という点においてです。何度も申し上げますが、ベンチャー企業やスタートアップ企業ではルールがほぼありません。そんな中でも人数が増えてくれば、“ルールを作らざるを得ない”状態になってくるわけです。そういった折に、自分たちにとって最もやりやすい形のルールを作ることができたわけで、そのルールが整った後は非常に仕事がやりやすい状態になっていったということも事実としてあります。それに、ルールを作るチャンスやその経験は後に非常に大きな経験になっていたりもします。

社長という存在が180度異なる

さて、続いての衝撃ポイントに参りましょう。次は、“社長との距離”について。私が入社した大手企業特有なのかも分からないのですが、“社長”という存在はある種、“雲の上の存在(死んでいるという意味ではありません)”でした。社長が現場にいらっしゃるようであれば従業員全員に通達が入り、「粗相のないように」と言わんばかりの体制が敷かれます。新入社員の人間が気軽に直接話せるような雰囲気はまるでなく、まるで天皇陛下と謁見するかのような場面であったように記憶しています。

一方のベンチャー企業。私のいた企業ではいわゆる“社長室”というものがなく、みんな同じフロアで仕事をしていました。そう、自分の正に隣に社長がいるような状態で仕事をしていたこともあります。そして社長を「社長」と呼んだこともなく、「Nさん」と“さん付け”で呼んでいました。もちろん、気軽に話もできるし、気軽に話しかけられます。そういった関係性だからか、先にお話したように“上司をすっ飛ばして”社長OKを取りに行ってしまうなんということが起きます(笑)。もちろん、ベンチャー企業だからすべてこうとは思わない話ではあるものの、近しいことはあるのではないかと他の同じ経験者の話を聞いていると思います。

大きく異なるのはやはり“残業代”の扱いか

話は少し毛色を変えて、“待遇面”について。具体的には“年収”というようなところかと思いますが、多くの場合、下がりがちではあるようです。企業規模を考えると当然低くなりがちではありますが、業界によって利益水準も違いますし、一概には言えないところではあります。私の場合は、“月収”という側面においてはほぼ変わらなかったと記憶しています。ただ、残業代という点については大きく違ったことを記憶しています。

ご想像の通り、大手企業では残業代が出て、ベンチャー企業では残業代が出ないというものです。いや、人事を専門とするので正確に説明すると、ベンチャー企業は“みなし残業代”というものがあらかじめ含まれている“月収”でした。そして、本来であればそのみなし時間以上に勤務すれば残業代が出るところではありますが…(ry。ということです(笑)。もしかするとこれは大手企業、ベンチャー企業の話ではないかもしれません。話をすり替えているかもしれませんが、残業を気にするならベンチャー企業やスタートアップ企業には向かないかもしれません。結局、頑張りたい人がいる環境であることが多いので、残業代が出れば良いけれども、なきゃダメと思うとキツイ環境であるとはオモイマス(あまり大きな声では言えません)。

住宅手当を除き、福利厚生はそれほど差がない

一方で、福利厚生という点についてはさほど大きな違いを感じることはありませんでした。もちろん、何を以って“福利厚生”という話なのかにもよると思いますが、福利厚生的な側面は法律と健康保険によってかなりの範囲をカバーしてくれていると感じました。たとえば女性の出産などは法律で定められていることは多いですし、育児休業給付金なども健康保険の制度によってきっちり支払われるようになっています。なので、「産休・育休を取れますか?」とたまに聞かれることがありましたが、取らせないという選択は企業側にはありませんからね(もしそう言われたら法律違反の企業です)。

あと、微々たる差が健康保険の組合によって異なると思いますが、よほど大きな企業で“保養所”を持っていたり、“アラカルト式の研修”を受けられたりする大手企業があるようにも思えます。あ、一つだけ大きな違いを申し上げれば、“住宅手当”でしょうか。これはベンチャー企業では少ないですね。サイバーさんがベンチャー時代から会社から2駅以内で住めば“住宅手当”を出すというものを作っていましたが、少しブラックな匂いがしますよね。。。そういった狙いがあるからこその“住宅手当”である可能性もあります。

何もないからこそ楽しい、と思うならOK

まだまだ色々とあるかと思いますが、ベンチャー企業やスタートアップ企業は想像以上に「何もない!」ということです。「何もないからこそ、自分たちで作っていける」と、そんなところに惹かれる人は向いているだろうなと思います。ベンチャー企業やスタートアップ企業に入社予定の方は、「何もない衝撃」を是非、楽しんでいただければと思います。

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キヨカワ

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