会議の生産性を向上させるには

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「○○について議論するから▲時に集まってもらえる?」このように会議の招集を受けたあなた。その招集通り多くの人が集まり、○○について議論が始まりました。その意見に賛成、反対というような意見をする人もいれば、全く意見を出さない人も中にはいます。そして時間が来たようで、特に明確な結論が出ないまま解散する。結局今日の会議は何だったのか。

「日本人は生産性が低い」こんなことがよく言われています。その原因を考えるとたくさん出てくるのですが、その原因の大きな一つに“会議”というものが挙げられます。会議…私もたくさん経験がありますが、振り返るとひどい会議が多かった気がしてなりません。改めて“会議”というものがどのようなものであるべきかを考えてみたいと思います。

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今回の事例を改めて見てみましょう。「○○について議論するから▲時に集まってもらえる?」と言われています。少し分かりやすいようにテーマを具体的にします。今回は“今後の人事評価制度”という議題に仮設定します。

さて、会議の目的は“今後の人事評価制度について議論すること”です。…まず、ここで持たなければならない疑問があります。そもそも“今後の人事評価制度について議論する”ということの目的(理由)は何なのでしょうか。もっと言えば、その議論をしたことによって出したい“結論”は何なのでしょうか。そして、その“結論”を出すに当たって、なぜあなたが必要なのでしょうか。

これらの質問を投げかけた時に、こんな答えが返ってくることがあります。「今後の人事評価制度について議論する目的は、会社を良くするために決まっているだろう。この議論で出したい結論?それをみんなで考えたいんだ。その結論を出すためにお前が必要な理由は、お前が課長だからだ。」

もしあなたがこの答えに納得してしまうようならば、あなたがやっている会議の生産性は間違いなく低いでしょう。

生産性が低い理由その①:議題の目的が曖昧

そもそもの議題の目的(ゴール)は何なのか、ということが不明確なまま会議が始まることが多くはないでしょうか。今回は敢えて聞いて、「会社を良くするため」という答えが返ってきましたが、更に突っ込んで、「何がどうなったら会社が良い状態なのか」ということが明確に定義されないまま話が進みそうな印象が拭えません。「そんなのみんな分かっているだろう?」と思われる方がいらっしゃいましたら、是非、周りに聞いてみてください。必ず違う答えが返ってきますから。

今回は割愛しますが、議題の目的(ゴール)を突き詰めていくと、会社そのものの目的(ゴール)に行き着きます。その会社そのものの目的(ゴール)を議論する人間で握れていなければ、残念ながら会社の目的(ゴール)からはズレた結論が出ることになるでしょう。この会社の目的(ゴール)が明確になっていないことによって、会議の生産性だけでなくそれ以外ことにも弊害が出ているケースがたくさんあります。

生産性が低い理由その②:会議の目的が曖昧

議題の目的(ゴール)が曖昧なので仕方がないのですが、その目的に至る過程である会議の目的(ゴール)も当然曖昧になります。そう、議題の目的(ゴール)と会議の目的(ゴール)というのは似ているようですが違うのです。会議の目的(ゴール)というのは、あくまで議題の目的(ゴール)を達成するための手段にしか過ぎません。その会議でどのような結果を出せば議題の目的(ゴール)を達成することができるのかということを明確にしておかなくてはならないはずです。

そのように考えると、会議という場が必ずしも“議論する場”ではない可能性があります。例えば、ある一つの企画のコンセンサスを得るための会議を設定し、その企画をそこではじめて提出して議論を始めるような会議をしたらどうなるか。恐らく時間がいくらあっても足りないでしょう。そう考えた時に、事前に関係者にその企画について話をしておいて、議論のポイントをあぶり出し、そのポイントに対しての解決策を関係者と話を付けておくということまでやってしまえば、会議は了承を得るためだけの場になるわけです(もっとも、そこまでやったら会議がそもそも必要なのかという別議論になりますが)。

生産性が低い理由その③:参加すべき人間が曖昧

議題の目的(ゴール)、会議の目的(ゴール)が曖昧なのですから、参加すべき人間も当然曖昧になります。「お前は課長だから参加しろ」というのはその典型でしょう。それにしてもなぜ、「課長だから参加しろ」というような考え方が出てくるのでしょう。その答えは、会議という場を“情報共有の場”にしているからです。

もちろん、会議は“情報共有の場”であることは間違いありません。ただ、必ずしも本人がその場所にその時間拘束されるべき理由としては極めて弱い理由であるはずです。会議にどれくらい時間がかかっているか分かりませんが、仮に30分の会議だとして、そこに5人集まったとします。すると、1人当たりは30分ですが、5人集まれば2時間半の時間をその会議にかけていることになります。そしてその会議の成果が“情報共有のみ”としたらどうでしょう。随分余裕のある会社ですね。

このように書いていくと、全ては“会社の目的(ゴール)”が明確になっていないからに他なりません。“会社の目的(ゴール)”が共有されていないからこそ、会議での発言がその人個人の価値観から発せられる言葉となり、その価値観同士がぶつかっている状態を作るのです。もっと言えば、結局は声の大きい人の意見が採用されます。その意見が向かう先はどこなのか。そこが良い場所なら良いですが、そこが必ずしも良い場所とは限らないのは皆さんもよくご存知のはずです。

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キヨカワ

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