日本がアジアの国々と共に発展するために必要なこと

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早いものでプノンペンに来て5日目。明日はアンコールワットのあるシェムリアップに移動するので、プノンペン最後の夜となりました。現地の方々はどの方もフレンドリーで素晴らしいのですが、現地にいる日本人にがっかりすることがいくつかあります。その中の一つである、「カンボジア(途上国)はレベルが低い」ということを平気で言ってしまう日本人。本当に残念でなりません。

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「レベルが低い」とあなたは言われたいですか?

「レベルが低い」このように言われて気持ちが良い人はいるのだろうか。確かに、事実として日本と途上国の間には経済的な格差というものは存在します。そして、ほとんど全ての国民が義務教育は受けているし、今の子どもたちのほとんどは大学にまで行ける。一方、カンボジアでは、一応日本と同様、中学校までは義務教育となってはいるものの、現実問題として小学校にさえ行けていない層は存在するし、大学まで出ているのはほぼ確実に富裕層という事実がある。

このような“事実ベース”のことは否定しようがないし、そのためにどうしたらいいかという改善材料にはなる。しかし、これらの状況を見て、「レベルが低い」というような言葉を平気で放ってしまうことはどうなのだろうか。今回協力いただいているのは現地としては数の少ない大学生なのですが、彼らは普通に日本語が喋れる(他方、英語の喋れる学生は…少数なわけです)。もちろん、それは人によるとは思うけれども、それは結局その“教育の機会”があったかなかったかという話なだけであって、その機会の差に対して「レベルが低い」というのは、それは差が付くことは明確だし、敢えてそれを言葉にして出すことのメリットがどこにあるのだろうかと感じるわけです。

意識して言っていない(気付いていない)ことが最大の悪

結局、このようなことを平気で言ってしまうのは、「日本が上、途上国は下」ということが無意識下にきっとあるのだと思います。改めて申し上げますが、確かに現時点において一人当たりのGDP等を比較すれば日本は数字的に上でしょう。しかし、これはあくまで“現時点”、“今”だからそう言えるだけの話であり、近い将来その数字が逆転することは可能性としては非常に高いようにも思えます。仮に逆転された際、「日本人はレベル低いからな」と言われたいのでしょうか。

「事実と解釈は違う」もちろん、この言葉そのものに対して異を唱える人は少ないでしょう。しかし、自分がどう思っているかということは無意識に言動に出てしまうものです。そのような際に「レベルが低い」というような表現が出てしまうということは、本人がそれほど意識はなくとも、「日本が上で途上国は下」と思っていると思われるわけです。そのような状態で相手といい関係が築けるのでしょうか。

日本はアジアの国々と共に発展していける関係構築が必要

「これからはアジアの時代」と言われて久しいです。その後はアフリカと言う方もいらっしゃるようですが、アフリカはある意味ヨーロッパに長い間植民地化されていた場所なので、世界的にはやはりアジアが最後の秘境とさえ言われています。カンボジアに来ても非常に実感しますが、これから益々経済発展を遂げていく可能性を非常に感じられる場所です。日本はアジアに地理的に近いことや、親日的な感情を持ってくださっているアジアの国が多いこともあり、今の先進国諸国と比較すると大きなアドバンテージを持っているのです。

他方、これから日本は非常に厳しい時代になります。そのような時代を迎える中で、アジアの国々と共に発展していけるような関係を築いていくことが急務です。共に発展していくという上で「どちらが上でどちらが下」という感情は邪魔にしかなりえないはずです。そんな中で、「レベルが低い」と平気で放つ。一言言わせてください。その発言は、「本当にありえない発言です」と。

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キヨカワ

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