スカウトメールは嬉しい!?

公開日: : 5.希望の面接を突破するために


転職サイトに登録していると届く“スカウトメール”。届くとついつい嬉しくなって開いてしまうことも多いかと思いますが、ここ最近の“売り手市場”の状況を考えると、届くことそのものに対しての価値が実はかなり薄くなってきています。その薄くなっている理由を、今の人材紹介業界の状況を説明しながら解説していこうと思います。

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売り手市場だからスカウトメールが増えるのは当たり前!?

先に挙げた“スカウトメール”というのは、主に人材紹介業を営む企業が発信しています。スカウトメールには必ず特定の求人があり、その求人が求める条件を満たし、そして興味を持ちそうなターゲットに対してメールを打つということになっているはずです。その方がスカウトメールを打つ人材紹介会社にとっても決定率を上げることになりますし、メールを受け取る当人にとっても有益な情報となるわけですから。ところが、そのように機能していないというのが現実だったりします。

ご存知の通り、今の転職市場は“売り手市場”と言われています。つまり、企業の求人数が多く、求職者が少ないという状況であるということです。企業の求人数が多いのだから、スカウトメールの絶対数は増えるし、求職者数が少ないのだから一人当たりが受け取るメールの量も増えるのはごくごく自然のように思えます。ところが、この“売り手市場”の状況になってからというもの、いわゆる人気の高い企業がことごとくスカウトメールを打たなくなってきているという状況が実はあるのです。

人気の高い企業はメディア掲出とリファーラル採用

いわゆる人気の高い企業がどのように採用方法を変えてきているかというと、大きく2つに分かれるような印象があります。1つは、リクナビNEXTに代表されるようなメディアに対しての掲出のみに留めているということ。そしてもう1つは、リファーラル(縁故)採用です。まずはじめにメディアに対しての掲出のみという部分の説明からして参ります。

ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので改めて説明させて頂くと、リクナビNEXTに掲出することと、リクルートキャリアがやっている人材紹介業、同じリクルートという会社が提供しているサービスでお互いにリンクしていると思われがちですが、全く別々のビジネスモデルになっていて、部署も全く違うものになります。リクナビNEXT(メディア業)には掲載料という形で、採用ができようができまいが一定の金額がかかるビジネスモデルとなっている一方、リクルートキャリア(人材紹介業)は採用したら年収の○%という形で企業からお金をいただくモデルです。

これだけ見れば人材紹介業の方が良さそうにも思えます。確かに、メディアに掲出して採れなければ損になるのですが、そこで複数人採用することができると、圧倒的にメディアに掲出する方が一人当たりの採用単価は安く済むのです。このような事情から、採用力のある企業、すなわち人気の高い企業はメディアへの掲出の方が一人当たりの採用単価が抑えられるのです。

そう考えると、売り手市場であろうと買い手市場であろうと、人気の高い企業はメディアへの掲出だけでいいのではないかと考えられるかもしれません。しかし、買い手市場では実は人気の高い企業は人材紹介業に仕事を頼みます。それはなぜかと言えば、買い手市場の際にメディアに掲出してしまうと、“候補者が殺到してしまう”のです。その数を捌くということも実は非常に大きなマンパワーがかかり、その捌きを人材紹介業に任せることでバランスを取るようにできているのです。

さて、話を戻して今は“売り手市場”ですから、人気の高い企業は“人材紹介業”はあまり使わないはずです。もちろん、必ずしも人気の高い企業に入りたいと思う人ばかりではないと思うので一概には言えませんが、届くメールの求人がいわゆる人気の高い企業ではない可能性が高くなっている事実があるわけです。

また、もう1つ挙げている“リファーラル(縁故)採用”というものも最近のトレンドとして捉えられています。縁故というと、親のコネ、のような印象がありますが、社員からの紹介というように捉えていただいた方が良いかと思います。社内にいる社員が自分の会社を自分の知り合いに紹介したいと思える会社であり、その社員から見て活躍してもらえそうなイメージの持てる方が紹介されるということで、かなり採用精度の高い人材と会えることになるわけです。ともかく、このような形の採用も始まってきていることから、敢えて転職サイトに登録せずとも転職ができる人が増えてきていることも手伝って、スカウトメールの受け取り手の質も相対的に下がってきてしまっています。

スカウトメールが多いのは、マッチング率が低下しているから

これらの話を総合すると、スカウトメールの求人がいわゆる人気がそれほどない企業ばかりとなっていることと、その受取手である求職者の質も相対的に下がってきているということです。するとどうなるかというと、マッチング率の低下が起こってきます。採用が成功しなければお金にならない“人材紹介業”ですから、そのマッチング率の低下が起こってきていることに対してどのような対策を打つかと言うと、“更なるスカウトメールの送信”です。つまり、それまではターゲットとなっていなかった人に対してもスカウトメールを打たざるを得なくなってきているわけです。すると、一人当たりのスカウトメールは更に数を増すわけです。これが、スカウトメールの価値が薄くなってきているという話の全貌です。

また、もう一つ余談として、日本における人材紹介業の数そのものが他の先進国と比較して多すぎるということもあります。誰でも簡単に参入ができてしまうこともその状況の悪化に拍車をかけていることでしょう。スカウトメールというのは、一つのきっかけを与えてくれるツールになることは間違いありませんが、このような背景があることは是非覚えておいてください。そしてもちろん、市場の状況が変われば今回の記事が必ずしもということにもなりますので、その点は是非ご考慮いただければと思います。

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