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最近では甲子園常連校となった沖縄の興南高校。今でこそ有名校ではありますが、恐らくこの高校を一躍有名にしたのが2010年に果たした甲子園優勝(沖縄勢初)、しかも春夏連覇というものでしょう。この高校の実力の裏側に、こんなエピソードがあったことはあまり知られていないかもしれないので、今日はそれを共有します:

興南高校には強豪らしからぬ事情がある。同校は全国制覇するようなチームとしては珍しく、野球に秀でた中学生を対象にしたセレクションと呼ばれる試験や、スカウト活動は一切していない。野球の技術の高さを理由にした特待生も認めていない。

興南の生徒なら誰でも野球部に入部できるし、一度入部した生徒を我喜屋監督は簡単に退部させない。結果的に3学年で130人を超える大所帯だ。部員が多いと1人当たりの練習機会はどうしても減ってしまう。それでも、1学年の部員数を制限したり、大量に入部させて見込みのある生徒以外は退部に追い込んだりする策は取らない。

それは、「野球をやりたいと思う生徒を放り出すことはできない」という前提に立って、最善を尽くすのが高校野球だと思っているからだ。企業にも雇用に対する責任があるように、高校野球にも生徒の意思を尊重する責任があると考える。

(日経ビジネス2010.6.14号p79)

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一体感を作り出して全国優勝につなげた

上記の記事だけではなく、他のメディアも含めて彼らから感じるのは一体感です。実は、彼らが春に全国制覇をした時、その時のレギュラーがその一体感を乱すような行為をしたそうです。その行為とは…“後輩をパシリに使う”“掃除をしない”“遅刻をする”なんていう、他の学校ではごくごく普通にありそうなこと。それを見た我喜屋監督は、全国制覇のレギュラー含め、試合に出さないという処分を下したそう。恐らく、全国4,000校ある野球部の中で、結果が出ていながらそういった処分を下せているのはそう多くないと思います。しかも、そういった学校が全国で優勝する、しかも、マイナーなスポーツではなく、野球といった最激戦スポーツにおいて、です。

上記のような状況を知ってからというもの、すっかり興南高校のファンとなり、彼らに本当に勝って欲しいと本気で思うようになりました。そしてその夏の連覇という偉業を達成されたわけです。そういったチームこそ勝ち上がれる、また、そういった企業こそ勝ち上がれる、そう思わされたことと記憶しています。

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キヨカワ

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