複数内定が出て迷うときに

公開日: : 1.キャリア構築の大枠の考え方


最近、立て続けに転職相談を受けています。その転職相談の内容は、「A社からもB社からも内定をもらっているのですが、どうしたらいいでしょう?」という、既に内定を得た状態での相談ばかりです。内定が出てから悩むことはよくある話ではありますが、このような時だからこそ地に足を付けた決断をして欲しいと切に願います。

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リベンジ転職を実現化しやすい環境だが…

先月(2016年3月)末、マイナビが「2015年中途採用状況調査」を発表し、その中で“人材不足”と回答した企業が75.7%、“採用基準を前年より甘くしている”と回答した企業が23.3%という結果を報告しています。就職活動も“売り手市場”と言われて久しいですが、中途採用市場においても“売り手市場”であることは間違いありません。新卒の時に入れなかった企業に改めて挑戦する“リベンジ転職”という言葉も、比較的実現化しやすい環境にあると言えるでしょう。

このように“売り手市場”の中で内定が出て、希望通りの企業に行けることは喜ばしいことのように思えます。むしろ、希望通りどころか、思いもよらぬところを含め複数の内定を得てしまい、想像以上に悩むことになっていらっしゃる方も多くいるのだと思います。これはまるで、それまでモテなかった人が急にモテはじめてしまい、舞い上がっている状態にも近いと言えるでしょう。大事なのはそのような状態で“本来すべき判断”ができるかどうかです。

このような決断をする際に外して考えてはいけないのは“長期的な展望”です。これから5年、10年、20年、40年と働こうと思っていらっしゃるのであれば、今から東京オリンピックまでの期間でどのような決断をするかによって将来が(良くも悪くも)大きく変わることは間違いないでしょう。実際の個別の決断についてまではこちらでは言及できませんが、これからこの日本で起こるであろうことは改めてお伝えできると思うので、復習がてら書いていきたいと思います。

人口減、働き方の多様化、東京五輪

まず、何を差し置いても意識せざるを得ない事実が“少子高齢化”です。“少子高齢化”の弊害は様々ありますが、最も致命的な問題は“人口減”、もっと言えば、“日本の市場が縮小する”ということです。有史において、人口が減少する国は栄えたことがないと言われているようですが、これから日本という国だけを対象にしたビジネスを展開していくことは日に日に厳しくなっていくことは間違いありません。そんな中でどのようにビジネスを展開していくつもりなのかということが各企業に求められているし、そこで働く人にも求められていると言っても過言ではないでしょう。

次に挙げられることは、“働き方の多様化”です。今は“女性の社会進出”というような一環で在宅勤務等の形態が広がりつつありますが、この話は“女性”という存在だけに限定されない話になっていくのではないかと思います。もっと言えば、企業の平均寿命が短くなってきている背景等もあり、副業のような形態も一部の企業で認められつつあるようになってきています。すると“企業に所属して仕事をする”というよりも“プロジェクトベースで仕事をする”というような社会に少しずつ変わってくる可能性はあり、一人ひとりがより“何ができるか”ということが問われる世の中になるように思えます。

最後に、“東京オリンピック”についてです。2020年に開かれる“東京オリンピック”、ここに向けて様々な企業が様々な仕事を作り出していることは間違いありません。今の“売り手市場”が作られているのもこの“東京オリンピック”の存在が非常に大きいとも言えると思います。そう、この“東京オリンピック”が終わるまでは仕事は溢れているし、人が足りないのです。しかし、この“東京オリンピック”が終わった後のことを語れる人もいません。一体それが終わってしまうとどうなってしまうのか。少なからず、今のような“売り手市場”というような状況が続くことは考えられないでしょう。

複数内定獲得が起こす精神異常

以上のことから、“東京オリンピック”までが一つの契機になることは間違いありません。“長期的な展望”を見据え、その上で”東京オリンピック”までに決断をし、行動することは良いことだとは思います。ただ、一つだけやはり気をつけていただきたいことは、今が“売り手市場”であるということです。このような“売り手市場”の記事が活況を浴びている中、もう一つ注目すべき記事が最近上がっています。それは、“社内失業”の記事です。

“社内失業”という、いわゆる“社内で居場所がない状態”になっている40代のサラリーマンが中心となって問題になっていることがあるのですが、これこそ正にバブル期の“売り手市場”で就職した方々の末路となっているわけです。40代と言えば、子どもがある程度大きくなり、お金がこれからかかってくる世代。そのような世代が今はともかく、“東京オリンピック”の後に大量にリストラされる対象になる…ということは恐らく免れないでしょう。“売り手市場”の中で就職、転職するということはそのような副作用があるということは忘れてはなりません。だからこそ、“長期的な展望”が間違いなく必要なわけです。

精神が正常でない時に重要な決断をしてはいけない、という話を以前の記事でもしましたが、想像以上に複数の内定が出るということがそれを引き起こすことが正に正常でない状態を作り出しているということを、改めて認識していただきたいと切に願います。

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