大企業に在籍しながらベンチャーを経験する
レンタル移籍と聞くと「サッカーか」と思ってしまいますが、この考え方がビジネスの場にも登場してきているようです。株式会社ローンディールのLoanDEALというサービスで、主に大手企業からベンチャー企業へ人材をレンタルするというものがそれです。私自身も大手からベンチャーに転職しというキャリアを歩んできたものの、ある意味若かったからできたことなのかもしれません。年齢を重ねてもベンチャーで働くメリットを感じてもらえるような機会を提供することは非常に意義のあることのように思えます。
大企業、ベンチャーそれぞれで働くメリット
まずはじめに大企業とベンチャーそれぞれで働くメリットについて言及してきましょう。まず大企業で働くメリットから。まず間違いなく言えることは、ブランド力が挙げられるでしょう。それまで培ってきた企業としての力、とでも言い換えられるかと思いますが、そのブランド力が世間に対しての信頼であり、ビジネスを進める上では非常に有利に働くものとなります。資金の面でも余裕があることが多いですし、また、そのようなブランド力があることから優秀な人材も集まりやすく、ご自身のロールモデルとなるような存在を見つけやすいことも見逃せません。
他方、ベンチャー企業はどうかと言うと、ブランド力がない代わりに、若くして様々なことに挑戦させてもらえる環境があります(正確に言えば、挑戦させられる、という意味合いの方が強いかもしれませんが・苦笑)。大企業では考えられないようなポジションに若くして就き、権限をしっかり持って活動されている方も非常に多くいます。社内の意思決定プロセスも極端に短いことが多く、プロジェクトが進んでいくスピードが速いことは間違いないですし、マルチタスクの能力が非常に求められ、そのような力が付いていく環境があります。
一番理想なのは、ある程度のブランドや人、金といったリソースを用いながら自身で権限を持ってプロジェクトを進められれば理想ではあるのですが、残念ながら「ないものねだり」というようなことが上記2つの関係性ではないかなと思います。そういった中で、今回のサービスであるLoanDEALはそこに対して一つの風穴を空けられる可能性のあるサービスなのではないかと思うのです。
サービス導入に当たって、想定されるハードルをどう乗り越えるか
ただ、このサービスが広がっていくことが必ずしも良い方向にばかり進むとは限りません。大企業からベンチャーへレンタルされることで、大企業からの人材が流出するリスクも生じるわけです。インターンではないものの、ベンチャーにおける職業経験ができることと、実際に大企業からベンチャーへの転職は逆と比較すると圧倒的に安易にできるためです。当然、ベンチャーに転職することそのものもリスクではあるので、安易な決断はしないとも思いますが、優秀であればあるほどベンチャーの環境は魅力的に感じる可能性は高いので、その可能性との天秤にかかる可能性はあろうかと思います。
逆にそういった方を受け入れるベンチャー企業のリスクは比較的低いようには思います。もちろん、どういった方を受け入れるか、ということにもよるかとは思いますし、変に社内で足を引っ張るような存在になってしまうようであれば話は別ですが、何か関連するような事業を持つ企業からの受け入れをすれば、将来的にジョイントベンチャーのような形で何かできるかもしれませんし、何より人材で最も困っているのがベンチャー企業ですから、渡りに舟のようなところもあるのではないかと推察します。
様々なハードルはあろうかと思いますが、このサービスのコンセプト自体はこれから求められる側面は非常に多く出てくるのではないかと個人的には思います。
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