待てないことで失っているもの

公開日: : 最終更新日:2016/02/26 2.組織人として生きるために, 3.マネジメント人材になるために

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ビジネスにおいて“時間を有効活用する”ということが重要であることは言うまでもないでしょう。ただ、“時間”に関するビジネス書を見ている限り、いかに短い時間で物事をこなすかというような方向にのみフォーカスがいっているように思えます。今回はその逆、いかに“待つ時間が大事か”、また、“待てないことで失っているもの”というテーマで話をしたいと思います。

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“時間が経過するのを待つ。”この言葉だけを見ていると、サボっているようにも感じられるかもしれません。しかし、“待てる”ということはある意味一つの能力と言って良いくらい重要な力だと、経営者になって特に感じます。今回、敢えて“経営者になって”ということに言及させていただいたのは、やはりサラリーマンではその重要性がどうしても感じさせにくい環境にあるなと思うからです。

サラリーマンで“待つ力”を持つことは難しい

サラリーマンであれば最低年1回、多ければ複数回、人事考課というものがあるかと思います。この人事考課におい、定められた期間においてどんな仕事を達成し、成果を上げたのかというようなことが問われるでしょう。その人事考課によって給与をはじめ、昇進・昇格等も決まってくるでしょうから、人によっては必死にアピールする場になることは至極当然のことです。そのような環境にいるわけですから、短期的に成果の上がることと、長期的にやるべきことの2つを仮に天秤にかけると、確実に前者に重きが置かれることになります。そして、いつしか長期的にやるべきことが何だったかを忘れてしまい、結局長期的にすべきことがなされないで終わるということは容易に想像できます。

では、人事考課をやらなければ良いかというと、それもまた難しい問題があります。人事考課等を通じて定期的にチェックしないとサボる人間は出てくるでしょうし、そのようにサボる人間の存在を、給与を払っている以上許せないという側面も当然あるでしょう。ある意味、そのような状況を避けるために人事考課が最低年1回あるのだとも言えると思います。このようなことから、サラリーマンは時間が経過するのを“待つ”ことを禁じられた存在であるとも言える気がします。

信頼関係や事業参入のタイミングなど、待つことが大事なことはたくさん

経営者になると、短期的に収益を上げることはもちろん必要ではあるものの、長期的に会社が存続することを同時に考えなくてはなりません。ともすると、短期的に収益が上がらずとも、長期的に会社が存続する可能性がある選択肢を選びがちな存在でもあるように思えます。その上で必要になるのが“待つ力”です。長期的に会社が存続するために必要な事柄というのは、短期的に叶うことは非常に少ないように思えます。少し具体的な話をしましょう。例えば、特定の人や企業と信頼関係を築くということをしていきたいと思った場合、毎日連絡を取り続けることが信頼関係を作る上での近道であるとは限りません。一つずつ、小さなことでも信頼を積み上げていくことが必要になるわけですが、そこには時間がかかるわけです。その時間を“待てるか”ということです。

この話は“信頼関係”だけに留まりません。それこそ“事業参入のタイミング”ということだって、“待てるか”ということが非常に問われます。私の経験で言えば、2005年にモバイルのアフィリエイト事業を開始したのですが、当時からすればまだモバイルで物を買うという概念が全くなく、クライアントに訪問しても懐疑的な反応が返ってきていました。ところが今はどうでしょう?モバイルで買い物をすることは当たり前で、モバイルのアフィリエイトで大きな収益を上げている企業はたくさんあります。私たちはその参入のタイミングを“待てなかった”のです。

“待つことができる”というのは才能

このように、時間というのはいかに短い時間で物事をこなすかという側面だけではなく、“待つ”ということも重要なのです。そして、その概念自体が頭では分かっていても、実践しづらい環境がサラリーマンにはあるということも事実ですし、本当の意味で理解するのもサラリーマンにおいては難しいかもしれません。ただ、この“待つ力”というのは経営者においては必須のスキル(?)なような気がしてならないのです。

“慣性の法則”というものがあるように、人間も基本的には“変わりたくない”という習性があるように思えます。新しく信頼関係を築いていったり、新しいビジネスを世に浸透させていこうと思うならば、それはどうしても“時間”がかかるものですし、そのタイミングが非常に重要です。私も時間があるとついつい動いてしまいます。そういった時に“待つことができる”。それができることは、実は才能なような気がします。

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