指示待ち人間の改善方法


“指示待ち人間”

このように評価されて気持ちが良い人は恐らくほとんどいないでしょう。“指示待ち人間”と言われるのは、その文字通り、上司の指示がない限り動かない社員のことを指しているわけですが、必ずしもその社員本人だけが悪いということには留まらないように思えます。自責の念という考え方に基づくのであれば、それらの当事者(社員だけでなく、上司も含め)がそれぞれ反省しなくてはならないことがあるのではないでしょうか。

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今の教育が指示待ち人間を作ってきている

昨今、“主体性”というキーワードが採用の現場ではよく聞かれます。どういった意味で“主体性”というキーワードを使っているかと言えば、“自ら考え、自ら行動を起こせるかどうか”というような意味合いです。恐らく高度成長期ではこのような“主体性”という概念を今ほど求められていなかったでしょう。なぜなら、特定の業務を覚えた後は、“決められたことをいかに速く、そして正確に行うか”ということが求められていた側面の方が大きかったためです。

ところが、今の世の中においては、仕事で求められることが複雑になり、その時々に応じた対応が必要になってきています。それらのニーズに対応していくには必ずしもマニュアルどおりに回答するのではなく、自ら考え、自ら行動を起こすというようなことが求められてきているというわけです。ところが、今の教育システムは相変わらず“いかに速く、正確に行うか”という考え方から全く脱却できておらず、求められている“自ら考え~”という側面については、個々人の経験如何である人とない人とに別れるというのが実情のように思えます。

経験如何~と申し上げましたが、恐らく多くの人は“自ら考え行動してきている”という条件に当てはまらない人はほとんどいないように思えます(もしいらっしゃるとしたら、親が全て決めてきたというようなことでしょうが…)。つまり、能力的に自ら考えられず、行動できない人というのはいないはずです。それにもかかわらず自ら考え行動できないのはなぜなのでしょうか。

個人の考えと、会社としての考えは違うという認識

まずはじめに認識しておく必要があるのは、“個々人の考え”と“会社としての考え”は異なるという点です。ですから、“自ら考える”という概念が、自分の中で完結することと、会社としての自分として考えなくてはならないことでは考える内容が異なってくるという事実があります。その違いを認識せず“自ら考えた行動”というのは、必ずしも周りから評価されるものではありません。時として叱責を受けるようなこともあるでしょう。このような事実がある以上、わざわざリスクを犯してまで自ら考えて行動を起こす必要がどこにあるのかと言えばないわけです。

また、この“リスクを犯す”という行為そのものも、日本の教育上、長年タブーとされてきているように思えます。先に挙げた“いかに速く、正確に”というキーワードが示すように、“正確であること”ということが非常に重視されてきています。つまり、正確ではないもの、間違っているものは失敗とみなされ、評価されないものであるわけです。このような考え方が幼少期から身についているわけですから、簡単にその概念をunlearnすることは難しいでしょう。このような背景があることを踏まえると、多くの人間が“指示待ち人間”である可能性が高いわけです。

指示待ち人間を変えていく方法は

では、「指示待ち人間は変えられないのかー」と言うと、そんなことは全くないと思っています。むしろ、人間は元来、自ら考え、行動を起こせると思っています。要するに、そのような元来の能力が発揮できない環境にこそ原因があるように思えます。例えば、その“指示待ち人間”と評される方に対して、自ら考えられるだけの材料(情報)が提供されているかどうか。言うなれば、その人とのコミュニケーション不足がそのような状況を作っていることはよくあることです。そして、そのようなコミュニケーションが不足していることによって、信頼関係も構築されず、結果として「あいつは指示待ち人間だ」と評する。これは悪循環以外のナニモノでもありません。

もちろん、一つ一つ丁寧に教えていっても、それを飲み込み、自走できるまでの時間には個人差が出てくることでしょう。そのコントロールをしていくことこそ、マネジメント人材に求められる力だと思います。人間という存在は基本的に“易きに流される存在”だと思います。考えなくていいことは考えないようになっているのです。そして、考えなくても良いとしているのは、他ならぬその環境だったりします。常に個々人のレベルに合わせた、自ら考える課題を与え続けられるかどうか。そのような概念が益々重要になってきていると感じます。

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