管理職はボトムアップ型、トップダウン型いずれであるべきか

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昨今の管理職はトップダウン型よりもボトムアップ型が圧倒的に多いそうです。部下の気持ちをきちんと把握した上で業務を進める、というようなもっともらしい話はあるものの、管理職の本心としては「自分だけ責任を負いたくない」「部下に嫌われたくない」というような心理も見え隠れするような気もします。もちろん、それぞれに対してメリット、デメリットはありますし、そのスタイルそのものを変えていただく必要はありませんが、どういったスタイルであろうとトップダウンで指示していただく必要があるシーンが存在することはご存知でしょうか。

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管理職にとって非常に重要な“リスク管理”というタスク

それは、『有事』が起こった際です。『有事』と言っても戦争とかそういった話ではなく、その企業にとって、もしくは管轄されるグループにとって危機的な状況に陥った時、という意味ですね。想像していただければ分かると思いますが、『有事』になれば、周りのメンバーが冷静な判断ができなくなっている可能性があります。そして、混乱が混乱を呼ぶこともありえるでしょう。そのような際に管理職であるあなた自身が部下に対して「どうすれば良いと思う?」とおろおろする。もちろん、絶対に聞くな、という話ではありませんが、それによって優柔不断になっている姿が部下に映っていたとしたら…部下はどう思うでしょうか。

管理職の大事な仕事の一つに、リスク管理という仕事があります。その業務を進めるに当たって、どのようなリスクがあり、そのリスクを回避するために日頃からどのような対策をしておくのか。当たり前ですが、そのようなリスクが顕在化しないための努力をする必要はあります。ただ、リスクというものは可能性が「0」には決してならないもの。そのリスクが何らかの事情で勃発した場合の対処法を、起こってからではなく、事前に考えておく必要が間違いなくあるのです。

判断軸を日頃からしっかりと持っておくことが大事

事前に考えておく、と言っても全てのリスクを把握し、そのリスクに対しての対応策等を全て覚えていくことは非常に困難かつ現実的ではないと思います。もちろん、それらを「見える化」していくということも場合によっては大事ですが、「見える化」させることだけに尽力してその「見える化」されたものが活用されないということも容易に想像できます。そのような状況の中で、何を事前に考えておくかというと、“判断軸”です。

“判断軸”とは何かと言えば、本来であれば企業理念のようなところに基づくものなのではないかと思います。その企業の目的は何なのか、それを達成する上で重要なのは何か。重要なのは「全部大事」とするのではなく、必ず優先順位を付けておくことです。例えば、従業員と顧客、どちらかを選ばなくてはならないならどちらか、など。ある意味このような究極の選択を迫られた際の判断材料はこのような根本的な側面に返ってくるはずです。そして、普段からそのように判断していけば、自然と部下もそのように考えるようになるでしょう。

ケースバイケース、という言葉は非常に使い勝手が良い言葉ではあります。ただ、それによってマネジメントが行き当たりばったりのように見えてしまうことも事実です。平時ならばともかく、有事の際には是非、行き当たりばったりのマネジメントにならぬよう、判断軸を日頃からしっかりと確認されることをおすすめします。

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キヨカワ

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