敬意を払うことを意識する


“レストランのウエイターに対して横柄な態度を取る”。これが百年の恋も一気に冷める瞬間の一つだそうです。感情的にはよく分かるこの事柄ですが、なぜ、これが百年の恋も一気に冷めるほどのことになるのでしょうか。

まず、横柄な態度を取る方は、レストランのウエイターの方と自分との間には“上下関係”があるのだと見ているのでしょう。客である自分が“上”であり、レストランのウエイターの彼は“下”。だから横柄な態度を取っても構わないわけです。そして、当然のことながらレストランのウエイターの方に対する敬意や感謝の気持ちはなく、客なんだから当然だろというような感情が読み取れる。だから冷めるというわけですね。

レストランの事例はもしかすると極端な事例ですが、意外なところで相手に対して敬意を欠く行動をしているかもしれません。今日はそんな話をしたいと思います。

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相手への敬意を欠いたことによる失敗談

まずはじめに私がやってしまった“相手に敬意を欠く失敗談”から話をしたいと思います。それは私がサラリーマン時代、“毎週の定例会の在り方”の改善を任され、それによって当時の社長を激怒させたという話です。毎週の定例会となると、皆さんの会社でもあるある話になるかもしれませんが、定型化した話を単に報告していくだけのものになり、情報共有だけならばメールで済むのではないかという状況になっていたわけです。そこで私はより会議への参加者同士が議論できる場を作り、より会社を良くするための場にしようと提案し、それを実践していきました。

実践した結果そのものというのは、もちろんまだまだ問題はあったかと思いますが、それまでの会議よりもより会議に参加する意義を見出せるものになっていったと思います。ところが、その会議が終わった後、社長に呼び出され、「お前はもう会社に来なくていい」とまで言われることになります。なぜ、そんな事態になってしまったのでしょうか。

私が社長から「もう会社に来なくていい」と言われた理由

結論から申し上げると、そういった事態になった原因は、“最後に社長に話を振らなかった”という点です。そこに参加する社員と同様に社長も扱われ、最後に話さえも振られない状況に対して激怒されたというわけです。つまるところ、社長に対する敬意がなく、そのような行動を取られたことに対しての“怒り”だったわけですね。これによって毎週の定例会の改善どころか、私の会社内の立場さえ危うくなったということを今でも覚えています。

念のため申し上げておきますが、私は故意に敬意を欠いたコミュニケーションを取ったわけではありません。定例会をどう改善したらいいか、ということしか見えておらず、結果として社長への敬意を欠いてしまったわけなのです。そんなつもりはなかったわけですが、結果としてそのように伝わってしまった。そう、そう伝わってしまった段階で自分が100%悪いわけです。そこにはどんな言い訳をしようとも、伝わってしまった以上、取り消すことはできません。

敬意を払う必要性がある=信頼関係が薄い

それに、そもそもこのような事態を招く結果になってしまったのは、実は“敬意を欠いたから”ということだけではありませんでした。よく考えていただくと分かるのですが、“敬意を払わなくてはならない関係”というのは、実は“信頼関係がない関係”とも言えると思います。つまり、信頼関係があれば、ある程度敬意がなくても許容できるけれども、そうでない人に敬意を払われないことは“怒り”に繋がってもおかしくありません。当時私は勝手に社長との信頼関係がある程度あるものと勘違いしていたのかもしれません。そして、それまでにも様々な地雷を私が踏んでいたこともその信頼関係を壊していたことも気付いていなかったのだと思います。そしてこの当日、このようなことが起こったのです。

このようなことがあったからでしょうか、相手への敬意というものをしっかりと示していかなければならないということを非常に意識するようになりました。信頼関係がまだまだ薄い関係の中では特に気をつける必要があると思いますし、相手の思っている信頼感と私の思っている信頼感も別にある可能性がある(自分が信頼関係を築けていると思っていても相手はそうでない可能性があるということ)ことも認識するようになりました。

意識なく行動してしまっている人が一番きつい

この話と混同されがちなのは、“全ての人に好かれなくてもいい”という話。特定の人に好かれれば、一定の人に嫌われても構わないという話ですが、この話と“人に敬意を払えない”という話とは別問題です。「別にウエイターに嫌われたって構わないから横柄な態度を取る」というのは、私の個人的な価値観なのかもしれませんが、“人としてどうなのか”と思うレベルの話しです。もしかするとその相手とは価値観が違って最終的に嫌われるかもしれない、けれども、その相手にそもそもの敬意を払わないということとイコールにはならないはずです。

一番厳しい人は、このような感覚をかつての自分のように意識なく言動をしてしまう人です。今では意識的にやろうとは思うものの、それでも当然100%は難しいことだとも思っています。だからこそ出来る限り敬意を払うよう努力しようと考えますし、何かそのような指摘があれば真摯に受け止める姿勢を取らなくてはならないと思います。

“相手への敬意に関して、絶対に自分に奢らないこと”。相手は自分とは違う、ということをやはり前提に考えなくてはならないのではないでしょうか。

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