社員のモチベーションの上げ方
○モチベーション3.0 著:ダニエル・ピンク
報酬には依存性がある。「交換条件つき」報酬やその他の外的な報酬は、危険な副作用を引き起こすおそれのある処方薬に似ている。(中略)金銭的な報酬やきらびやかなトロフィーは、最初は満足感をもたらす快い刺激を与えるが、その感覚はすぐに消え去る。その感覚を保ち続けるために、受け手は、もっと大量に、もっと頻繁に報酬を要求するようになるからだ。(中略)お小遣いで釣って息子にゴミを捨てさせる-するとほぼ確実に、その子はもう二度と、お小遣いなしではゴミを出さなくなるだろう。最初の金額のもたらした興奮がさめてきたら、相手を従わせるために、やがてその額を増やさざるを得なくなる。
(本書p87-89)
外的報酬(給与等の物理的な報酬)には限界がある
基本的には、ボーナスなどの“外的報酬(モチベーション2.0)の限界”について書かれている本です。上記は、
1.外的報酬というものを用いて相手をモチベートし、それによって動いてもらった
↓
2.モチベートされた方は、次に同じ行動を頼まれた時、同じ又はそれ以上の報酬を期待する
↓
3.頼む側がその頼まれる側の期待値を下回る提案をした場合、頼まれる側は動かない
という原理になっているのでしょう。“外的報酬”というものには(当たり前ですが)限度があり、それが常に満たされる状況を作り出すことは難しいと思います。だからこそ、“内的な動機(モチベーション3.0)”にupdateしようというのが論旨です。
やりがいは持たせられずとも、気付きを促せる
内的な動機とは、端的に言えば“仕事のやりがい”です。これは人によって何に対してやりがいを持てるかということが全く異なるので、やりがいを持たせれば良い、なんていう簡単な話ではありません。ただ、やりがいそのものを持たせることはできなくとも、本人に気付きを促すような働きかけはできるのではないかと思います。例えば、過去の仕事でやりがいを持ってやっていた仕事は何なのか、ということを振り返ってもらえると良いですね。
p.s.
“外的報酬”に関して全くその効果がない訳ではなく、ルーティンワークに対してであれば効果が見込めたり、思いもよらない“外的報酬”なんかは非常に機能することも書いてあります。“外的報酬”自体に対して否定的という訳ではないけれども、その使い方をしっかりと考えないと、逆効果になる、ということですね。
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