面接で自分のやりたいことを言うときの注意点

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先日、ある学生さん達の“業界研究中間発表会”なるものに参加してきました。「業界をしっかりと研究して、自分自身の志望動機を固めていこう!」という趣旨で行われていたのですが、こんな悩みを発表していた学生さんがいました。「自分がやりたいことを、その業界はあまり求めていないようなのですが、どうしたらいいでしょうか?」

その学生さんは昨今売上が落ち込んでいる“洋画”の売上回復、平たく言えば、もっと多くの人に“洋画”を見て欲しい、そんなことを仕事にしたいと思い映画業界を志望しているものの、今の映画業界は“邦画”に力を入れるばかりで、自分のやりたいことが出来る会社があまりないことに気付き、どうしたら良いでしょうかということに悩んでいる、というものです。…この悩みに対して、皆さんならどうお答えになるでしょうか?

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企業は需要と供給のバランスの中で商品・サービスを提供している

こういった類の悩みを相談された時、まず真っ先に聞きたいのは「この話、どこまで本気で、どこまでの覚悟を持ってやりたいと思っていますか?」ということ。“洋画”の売上が低迷している、という点に問題意識を持つこと自体は素晴らしいと思います。しかし、その問題に対して人生の全てを賭け、これ以外のものは全て捨てられる覚悟があるかどうかまで考えた方が良いです。「そんな極端な…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、上記を達成するには、それくらいの覚悟がなければ難しいと思います。

なぜなら、この問題を解決するということは、社会の需要と供給のバランスを変えるということとイコールだからです。もう少し噛み砕きましょう。“洋画”の売上を上げたいということは、“ガラケー”の売上を上げたいということに近しい気がします。“ガラケー”には確かに利点がありますが、“スマホ”の方の利点の方が魅力的に感じるからこそ多くの人が“スマホ”を使っているワケですね。これをまた“ガラケー”に多くの人を向けさせるパワーって大変なものではないでしょうか?恐らく、この学生さんが考えていたのは、“洋画”を色んなところでPRして、“洋画”を色んな人に知ってもらう、それで“洋画”が広まれば良いな…というくらいだと思います。…断言します。それでは絶対に“洋画”の売上は回復しません。(事実、回復してませんよね)

本気でやりたいならば、企業に頼らず自分で行動していった方が良い

だからこれを最初に聞きます。「この話、どこまで本気で、どこまでの覚悟を持ってやりたいと思っていますか?」と。本気で、覚悟を持ってやりたいのであれば、今からでも何らかの行動を起こせるはず。“洋画普及の会”みたいなNPOを作ってみるのもいいかもしれない。それさえも行動できないならば、やるべきではないでしょう。“企業”というのは、社会に対して大きな影響を与えられる存在です。そこに“就職”するというのは、これもまた社会に大きな影響を与えられるようになります。そういった意味で、企業で働くということは、社会問題を解決するのにも非常に有効な手段ではあります。

しかし、企業というのは、あなたがやりたいことをやらせてあげるために存在しているわけではなく、社会(消費者)が求めていることを提供することであり、お金を貰いながら自分の好きなことをやるということは、相手との利害関係が一致してはじめて叶うことなのです。ココが、学生と社会人の大きな差だと思っています。これから皆さんが就職活動で出会う面接官は、当たり前ですが皆社会人です。これを踏まえた上で是非、面接に臨んでいただければと思います。

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キヨカワ

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