忙しい人が実践している時間の作り方
○官僚に学ぶ仕事術 著:久保田崇
自分がコントロールできることに集中する世の中には自分がコントロールできることとできないことがあります。天候不順で電車が遅れたりすることは、自分でコントロールできない一例です。先日も、富山に出張した際に、富山駅から東京までの帰りの特急列車の出発が25分遅れました。私は特に帰りは急いでいなかったのでよかったのですが、JRの駅員にすごい剣幕で怒っているサラリーマンに遭遇しました。
確かに急いでいるときは腹立たしいものですが、起こったところで電車の遅れが解消するわけではありません。JRのみどりの窓口職員の方も平謝りされていましたが、窓口職員にそもそも遅れの責任があるわけではないのです。きっと窓口職員の方もストレスが溜まることでしょう。その窓口職員の方も家に帰って家族に当たり散らしたりすれば、怒りを拡散するようなことにもつながります。
このように自分でコントロールできないことに怒っても、(その人自身の感情の若干の安定につながるかもしれませんが)物事自体は何も変わりません。
(本書p203-204)
自分がコントロールできることに集中し、できないことは諦める
非常にお忙しい官僚である久保田さんがどのようにして時間を捻出し、久保田さんなりのワークライフバランスをどう築いているか、という話が中心なのですが、全ては自分がコントロールできることに集中するということに集約されている気がします。人より早く出社したり、お昼の時間をずらしたり、はたまたフォトリーディングのスキルを身に付け、時間を短縮したりと、いかに自分がコントロールできることを徹底することで時間を作っている訳です。基本的に他人は変えられない。だったら、自分が変わればいい。変えられるのは自分しかないのだから、というのが強いメッセージとなっています。
できないことに悩む時間が、時間がないに繋がっている
本書にも書いてありますが、本当に忙しい人ほど悠々としているという一節があります。要するに時間の使い方が相当上手いのだと思います。この時間の使い方が上手い、というのは、単に自分の仕事のスピードが速いだけではなく、自分のすべき仕事とそうでない仕事をしっかりと分け、そうでない仕事をいかに他に任せ、自分の仕事に集中するか、という部分も含まれます。(自分で全てやるには24時間という時間はあまりに短いですからね)そういった発想がなければ、当然ですが時間がないという状態に陥りやすいのも頷けます。
欧米のエリート達が悠々と過ごしていて、日本がそうではないというところの違いが、ここにあると思う。もっともっと自分のコントロールすべきところは徹底し、任せるべきところは任せる。「忙しい」と言う言葉が美徳とされているのはやはり何か間違っている。そう改めて思わされる一冊です。
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