新入社員は無価値か!?

公開日: : 最終更新日:2016/04/07 2.組織人として生きるために

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昨日に引き続き、もう一つ新入社員ネタを。新入社員が入ってくる時期なので新入社員関連の様々な記事が上がっていますが、そんな中で、「新入社員は無価値」という類の記事がちらほら。それらの記事の趣旨としては、「思い上がらず、謙虚に努力しなさい」という新入社員に対してのエールのような話ではあります。ただ、新入社員が会社にとって本当に無価値かというと実は全くそうではないという事実があることを見逃してはならないと思います。

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利益的には“無価値”というより“マイナス”

「なぜ無価値か」ということについて詳しくは他の記事にその役割をお願いしようと思いますが、端的に言えば「給与分の利益を上げられていない」というような話でしょう。毎日出社して研修を受けるだけでお金がもらえる状態なのですから、会社に対しては損失しか与えていないですね(研修講師の方への支払いはもとより、それらをコーディネートしてくれた社内の人事等の時間、人件費等も入ってきますし)。

また、仮に仕事が始まったとしても、自分の給与分の利益を上げるのは結構大変です。仮に月収20万円だとすると、当たり前ですが売上20万円を上げれば良いという話では全くないですね。仕入代はもちろんのこと、販売管理費というものが乗ってきます。販売管理費というのは、社員が社員として動けるように環境を整えるための費用で、例えば社屋や店舗の家賃だったり、営業外の方の人件費だったり、会社にかかる費用すべてが按分されて売上から引かれることになります。すると、よく言われるのが月収の3倍の売上総利益(売上-仕入)を1ヶ月で稼げてはじめてトントン(プラスマイナス0)ということ。それまでは“無価値”、もっと言えば“マイナス”と言われても仕方のないところではあったりするわけです。

“新しい風”であり“教える機会”を提供し、“未来を担う”存在

一方で、たとえそのように直接的な利益に対しては“マイナス”な存在だとしても、非常に大きな価値があるポイントが大きく3つあると思っています。

1つ目のポイントは、新入社員が“新しい風”であるということです。よく言われることではありますが、この“新しい風”というものは会社にとって想像以上に重要なことです。会社というものは学校とは異なり、必ずしも新しい人間を採用しなくてはならないという存在ではありません。会社によっては従業員が全く変わらない状態にある会社もあり、そのような会社がどうなるかと言うと、淀みます。変化がないので、人間関係も仕事のやり方もなぁなぁになりやすく、活力が失われるケースが非常に多くあるのです。そこにただ新入社員が入ってくるというだけで会社が引き締まる、そんな効果があります。

2つ目のポイントは、全ての既存社員に“教える機会”が提供できるということです。“教える機会”というのは、その新入社員の成長はもとより、その教える社員の成長に非常に大きく寄与します。「10を教えるためには100知らなければならない」というような話がありますが、教えるためにはそれに見合うだけの知識なりを身に付けて臨まなくてはなりません。そのような状態を全ての社員に対して促せる機会は、新入社員が入ってくるタイミングでしかできないことなのです。

むしろ既存社員が改めて認識する良い機会

そして3つ目のポイントは、未来の会社を担う存在であるということです。会社というものは“Going Concern(継続する)”ことが何より重要です。その継続のためには、ずっと同じ人間で会社を回すということは不可能です(人はいつか死にますから)。もちろん、最近は企業自体の寿命が短くなってきているし、終身雇用が崩れつつあるという話はある背景もあるのですが、そうは言ってもその会社のトップの多くは「会社を継続させていきたい」と思っていると思うし、そのような想いがあるからこそ新入社員を迎え入れているのだと思います(そう信じたいですね)。

「新入社員は無価値」という敢えて努力を促す発言も良いのですが、むしろこのような話をきちんと新入社員に伝えてあげるのも新入社員のモチベーションアップに繋がるのではないかとも思います。そして何より、新入社員を迎え入れている既存社員の方々こそ、新入社員が入ってきてもらえていることが喜ばしいし、会社にとって非常に大きな意味のあることだということを改めて認識していただくことの方が大事なような気がしてなりません。

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