新人研修での「採用ミス」発言

公開日: : 6.価値観・世界観について

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新人研修真っ最中のこの時期。某新人研修会社の代表が「皆さんの会社は採用ミス」と新入社員に対して発言して炎上しているようです。前後の文脈がきちんと分からないのでもしかすると的外れな話かもしれませんが、同じ研修に携わるものとしては高い確率で「ないな」と思わざるを得ない話のような気がしています。

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本気で仕事をさせようとするという意図は分かるが…

彼の発言の意図としては、「本気で仕事をさせようとするため」と説明していて、その意図そのものは納得のいくものではあります。特に新人研修となると、学生から社会人になったばかりということもあり、学生気分が抜けず(というか何が社会人なのかということが分からず)、厳しい指摘を受ける時期であることは間違いないところではあるためです。ただ、今回の発言である「採用ミス」は、社会人として以前に“その人そのものを否定”されているように捉えられる可能性があり、明らかに踏み込みすぎな印象が拭えません。

一方で、人事ときちんとその辺りの話ができていて、「敢えて厳しい言葉遣いで実施してください」というようなオファーをされている可能性は残っていると思っています。要するに研修講師としてそのような振る舞いをお金をもらって敢えてしたということですね。仮にそのような口裏あわせがあったとしても、気になるのはやはりその後の話です。

厳しい話をする=育成の責任が伴う

厳しい話をする以上、その新入社員に対してある種責任を持たなければなりません。…当たり前のように聞こえるかもしれませんが、新人研修というものはこの4月の時期だけのものであることが多いですし、あったとしても3ヵ月後ないし半年後、または1年後研修で会うかどうかです。そのような講師にその新人の育成の責任など持てるはずはないのです。すると、現場の上司や先輩社員がその責務を担うわけですが、そこと新人研修の講師が握れているケースはほぼないわけで、厳しい発言を浴びせられるだけでその後に全く活きないということがよくあるわけです。もちろん、人事を通じてその辺りの話がきちんと通っていれば良いのですが、このような不用意な発言をしてしまうということは…その辺りの整備をきちんとやれているようには思えないというのが率直に思うところではあります。

研修業界の裏側の話をすれば、この新人研修についてはひどい状況になっています。研修講師になれる、というような謳い文句が各所で流行り、本来は研修講師であってはならないような人も講師として派遣されるようになりました。本来そうあってはならない人なのですから、普通の研修の仕事が来るはずもなく、この新人研修のような時期的に仕事が溢れる時期に多少仕事を拾っていくというような状況になっているのが実態の部分があります。そして当然、自分に仕事が欲しいがゆえに価格を下げ、発注してはならない講師を掴まされていく…というような状況になっているわけです。

「採用ミス」よりも「選択ミス」かも

このように、業界の裏話も含めて現行の新人研修の危うさについて話をしてきたわけですが、実は全てその発注を取り仕切る人事(もし決裁者が別の人間ならその人間)がしっかりしていれば、問題は特に起こらない話ではあります。人事(または決裁者)が適当であれば、そこに入ってくる社員もそのような仕打ちを受けてしまうということはよくあることです。今回の話は「採用ミス」と言われるよりも、その会社を選んでしまった自分の「選択ミス」の方が近いのかもしれません。

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