転職のミスマッチを防ぐため?

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転職によるミスマッチを防ぐために3ヶ月間のトライアル期間を設けて入社するかどうかを決める「TRYOUT」というサービスがあるようです。ミスマッチというのは求職者にとっても企業にとっても避けたいことですから、このようなサービスを使って転職活動をしてみよう…と思われる前に考えて頂きたいことがあります。端的に言えば、このサービスは企業側のメリットが強いサービスになっているのです。

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確かにキャリアそのものには傷は付かないが…

試用期間、という言葉を聞いたことはあるでしょうか。この言葉も今回のトライアル期間を設けて~というような話で、この試用期間中であれば企業は解雇という形では“なく”辞めてもらうことができますが、そう判断するに足る証拠を提示しなくてはなりませんので、非常に手間のかかることではあったりします。そして、求職者としても一度“入社”をしているので、そのキャリアを履歴書に記載しないと経歴詐称となり、いわゆる“キャリアに傷が付く”という状態になります。このようなお互いの煩わしさを解消するサービスとして出てきたのがTRYOUTなのかなと思っています。「そうであるなら、一度一緒に働いた方がお互いにお互いのことが分かるので、より納得感の高い転職活動ができそう」と思われるとも思うのですが、2つの大きな落とし穴があると思っています。

1つは、空白期間の説明の仕方についてです。このTRYOUT中はフリーランスとして活動しているのと同じような状態であるという話にはなっているものの、その空白期間が空けば空くほど、その空白期間についての質問をされることは間違いありません。その空白期間について正直に答えるかどうかはご本人次第ではあるものの、仮にこのTRYOUTというサービスを使ってやっていた、という話をした時に、「なぜその会社に入社しなかったのか」という話に間違いなくなるであろうことは想像に難くありません。もちろん、そこに対して面接官の納得のいく答えができれば問題ないのですが、答え方を間違えると変にマイナスポイントが付く可能性があります。

権利を乱用する可能性や、社会保険を負担してもらえないなどの企業側にメリットが多い

もう1つは、企業側がこのサービスを乱用しないとも限らない、という点です。企業によってはそもそも全員を正社員として迎える気がないような、選抜の意味合いで使ったり、一時的な人員確保として使ったり、といったことも想定はできます。もちろん、これらの乱用をサービス提供企業が防止するような働きかけをきちんとしてもらえれば良いのだとは思いますが、その点についてはこちら側からは何とも言えないため、その可能性があるということを認識しながら応募する必要はあろうかと思います。

それ以外にも、業務委託である以上給与から源泉税が引かれたり、社会保険は自分で払ったり、それらを確定申告でしっかりと申告しなくてはならない等、サラリーマンではやったことのないことを色々とやることになろうかとも思います。こういったことを事前に説明をしていただいて、納得感を持った上で申し込むということであれば問題ないかと思います。

転職を決断する前に、企業を事前に調べることと自身の能力を高めることが大事

採用のミスマッチというのはお互いに不幸なことになることではあるので、確かに避けたいことです。しかし、その前段階で企業のことをしっかりと調べることはもとより、自分自身のスキルを確固たるものにして、ある程度キャリアに傷がついても採用されるような人材になるまでは転職しない、というのも大事な側面かと思います(もちろん、身体を壊すようなことは避けていただきたいですが)。

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キヨカワ

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