分析する自己と分析される自己が分裂する件

公開日: : 5.希望の面接を突破するために


女子大生が就活の自己分析について激怒するツイートが拡散されているようですね。「自己分析って分析する自己と分析される自己が分裂してしまうからできないのでは?」という質問に対し、担当者が「適当でいい」と返答したことに対してのことだそうです。まあ、担当者の返答も「それはないなあ」とは思うものの、仮にこのような質問をされたらどのように答えたら良いかを考えてみました。

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質問者の質問の意図は…人類の永遠のテーマ!?

まず、「自己分析って分析する自己と分析される自己が分裂してしまうからできないのでは?」という質問の意図を考えてみたいと思います。言葉をそのまま受け取ると、自己分析される自分と自己分析する自分に分かれているのは問題ないのか?ということでしょうか。ここには大きく2つ問題がある気がします。それは、“自己分析する自分は自己分析しなくては良いのか?”ということと、“自己分析される自分も自分というフィルターを通っている点は問題ないのか?”という2点です。

もし、このような意図でこの女子大生が質問をしているとしたら…それは人類の永遠のテーマだと思います。ご専門でいらっしゃる哲学科で突き詰めていかれることが最も正しい方法でしょう。…と、ここで回答を止めてしまうと、先の担当者と同じ轍を踏むことになるのでもう少し補足説明をしていきたいと思います。

自己分析は一定の傾向や一面性を見つけるだけのもの

まず、自己分析に関して大いなる勘違いをしている気がしてなりません。どういうことかと言うと、自己分析をすることで自分のことが完全に分かる、もっと言えば、自分のやりたいことが分かる、どんな仕事に就くべきかが分かるーというような魔法の方法であるかのような勘違いです。もちろん、部分的にそのようなことを発見できる可能性のある方法ではあるとは思いますが、自分のことが“完全”に分かるような方法ではないし、人間という存在はそれほど単純なものではありません(それは当人が一番よく分かっているのではないでしょうか)。

上記の話をもう少し深く掘り下げると、人間というのは一つの側面しかないものではありませんし、環境によってその側面の捉え方を当人が変化させています。具体的な例で話をすると、例えばリーダーシップがあると自己分析で出てきたとしましょう。その“リーダーシップ”だけがその人の特徴を表すわけではない、ということは分かるでしょう。それ以外にもきっと良いところはあるでしょうし、たまたまそれまでの経験を紐解いていった結果“リーダーシップ”という言葉がしっくりきたというだけに過ぎません。

自分という存在は非常に不安定なもの

そして、その“リーダーシップ”は絶対的なものでもないはずです。“リーダーシップ日本一決定戦”のようなものがあって絶対に1位が取れるようなものなのかどうかということを突きつけられれば、ちょっと首を傾げてしまうのではないでしょうか。このように、自分という存在をどれだけ分析しようとしても、その一定の“傾向”は掴めるかとは思いますが、揺るがない絶対的な何かを発見できるものではないし、そんなものは自分の中には存在しないということにまずは気付かなくてはならないわけです。

このように話をしてくると、「じゃあ、自分って一体何なんだ…」ということになろうかと思います。そうですね、それくらい自分というものは“不安定”な存在だと思っています。ところが、その“不安定”な自分を“安定”させる方法が実はあるのです。それこそ、何を隠そう“企業(相手)分析”なのです。

金太郎飴の自己PRが上手くいかない理由

「企業(相手)分析によって不安定な自分が安定する…?」ということに疑問を持つ方も多いかと思うので、少し別の話で分かりやすくします。みなさんがもし、小さい子に話しかける時にどのような話し方をしますか。普段と変わらない、という方もいらっしゃるかとは思いますが、多くの人はその小さい子に合わせた、その子を安心させるような口調や言葉遣いで話しかけるのではないでしょうか。それは普段のあなたではないとは思いますが、その子に話しかけるあなたはあなたではないと言い切れるでしょうか。いえ、紛れもなくそれはあなたなわけです。

今の話と企業(相手)分析がどのように関連するかと言えば、その相手によって何を言うべきかを考えて話すべきだということです。自己分析というのは、その何を言うべきかの“何”の引き出しを改めて認識する作業なのです(自分のことが“完全に分かる”という作業ではないのです)。そして、その引き出しから、相手が求めていることを差し出せるかどうか、そしてその求めているレベルに適うかどうかということが問われているわけです。つまり、金太郎飴のようにどの企業に言っても同じ自己PRをするということは、不安定な自分をとりあえずこれだと思い込んで、(相手を考えずに)言っているだけなのです。だからたくさん企業を受けている割には内定が少ない(出ない)という結果に繋がってしまうわけです。

就活支援をするならプロ意識を

このような話をきちんと説明できる人は少ないように思えます(というか、ほとんど知りません)。担当者が「適当でいい」と言ったのも、これらのニュアンスを全て分かった上で時間の関係で仕方なく…という意図であればまだ救いはあるわけです(伝え方の問題だけですから)が、恐らくそうではないでしょう。就活支援というのは、就活を経験していれば簡単に誰でもできそうに見えますが、無責任にやることでは絶対にないはず。やるならやるで、きちんとプロ意識を持ってやって欲しいものです。

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    東京在住。妻と娘2人の4人家族。

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